このようなお悩みを解決するため、
レゴブーストを使った、プログラミングのカリキュラムを作りました。
【レゴブースト】プログラミングで四角を描こう!
どんなカリキュラム?
- 市販の本を教科書とし、お絵かきロボットを組み立てます。
- 組み立てたロボットに、プログラミングをすることで、自動で絵を描かせます。
このカリキュラムの目標
- レゴブーストアプリの使用方法を学び、自学・自習(一人遊び)ができる基礎を身につける。
- 図形を書く課題に挑戦し、適切なアルゴリズムを考えることで、プログラミング的思考を身につける。
子供にプログラミングのことを「楽しい」と思ってもらう。自ら取り組むようになること。
これが学習を続けていく上で1番重要だと思います。
レゴブーストは、ハード的にも、ソフト的にも自由度があり、
大人が遊んでも楽しいおもちゃ(もしくは教材)です。
そのレゴブーストを楽しむために必要な
「操作方法」「考え方」でつまずいて、
飽きてしまうのはもったいない。
なので本記事を執筆しました。
子供が自分で学習するための「基礎づくり」「きっかけづくり」のお手伝いができれば幸いです。
この記事は、子どもにプログラミングを教えたいパパ・ママ向けに書いています。
こんな方におすすめ
- ロボット教室の代替案を探している方
- 自宅で使えるロボット教材を探している方
- レゴブーストの教材を探している方
- レゴブーストの活用方法を探している方
- プログラミングブロックの意味を知りたい方
目次
前置きが長くなってしまいました。
それでは、カリキュラムに入ります。
こちらもCHECK
-
【無料説明書】レゴブーストのプログラミングブロックと作り方の説明書【日本語PDF】
続きを見る
1.準備&レゴブーストロボット組立
- ロボット・・・・レゴブースト
- テキスト・・・・THE LEGO BOOST IDEA-BOOK
- 操作端末・・・・レゴブーストアプリがインストールされた「タブレット」 or 「スマホ」
- ノート ・・・・ワークシート作成用のノート。コピー紙などでも良いです。
- 大きめの紙・・・ロボットが絵を描くキャンバス。カレンダー裏・広告の裏などが良いです
- ペン ・・・・ロボットに取り付けるペン。すぐ乾くものがいいです。
所要時間は組み立て20分、プログラム40分の合計60分を想定しています。
組み立て教科書【THE LEGO BOOST IDEA-BOOK 事例81を使用】
このカリキュラムでは、
「The LEGO BOOST Idea Book」の198ページの組み立て事例
「#81 Drawing with a pen」を使用します。
引用:The LEGO BOOST idea book
95種類ものロボットの組み立て方とプログラムが、
写真で説明されているので子どもだけでも理解できますよ。
引用:The LEGO BOOST idea book
事例をベースに、ロボットやプログラムを変更して遊ぶこともできます。
組み立てが簡単なものから難しいものまで揃ってますので
レゴブーストと合わせて持っておきたい、おすすめの1冊です!
こちらもCHECK
-
【書評】レゴブースト改造のおとも【The LEGOBOOST ideabook】
続きを見る
著者の五十川さんのサイトも必見です。
レゴブロック作品や、レゴ機構集が掲載されており
YouTubeで動きが確認できるので、わかりやすいですね。
世の中に出回っている良いものは、どんどん活用しましょう!
2. プログラミングでお絵かきロボットを動かそう!【プログラミングブロックの説明】
レゴブーストでプログラミングに挑戦します!
まずはレゴブーストアプリを開きましょう。
インストールがまだの方はこちらからどうぞ。
アプリインストールはこちら
クリエイティブキャンバスの使い方
このカリキュラムでは、クリエイティブキャンバス(自由にプログラミングするモード)を使用します。
レゴブーストアプリを開いて、右にスワイプすると、
ぐるぐる回っているうずまきがあります。
ここをタップすると、クリエイティブキャンバスが使用できます。
左上の+を押して、新しいプロジェクトを作成します。
プロジェクトを作ったときに、名前とアイコンを自動で割り当てられます。
わかりやすいように、スパナマークを押して名前を変えておきましょう。
名前を変えるときはペンマーク
アイコンを変えるときはハケマーク
プロジェクトを消すときは、ゴミ箱マークです。
プロジェクトを開いて、画面の指示通り、ムーブハブの緑ボタンを押して、接続しましょう。
接続ができたら、早速、ムーブハブのモーターを動かしてみてください!
レゴブーストのプログラミングブロックの説明
さっそくモーターを動かしてみましょう。
と言いたいところですが、
まずはモーターを動かすためのプログラミングブロックの説明から。
別記事にも詳しくまとめていますので良かったらどうぞ。
こちらもCHECK
-
【無料説明書】レゴブーストのプログラミングブロックと作り方の説明書【日本語PDF】
続きを見る
ブロックは色ごとに役割が分かれています。
黄色 動作フローの制御(スタート・ストップ・繰り返し等)
オレンジ センサーの制御
緑 モーターの制御
紫 音の制御
白 演算・変数の制御
モーターは緑色のブロックで動かします。
ですが、モーターブロック単体では動きませんので、
まずは黄色のタブから、スタートブロックをドラッグ&ドロップしましょう。
スタートブロック
プログラムは左側が丸くなっているブロックからスタートします。
左が丸いブロックは、トリガーブロックと呼ばれていますよ。
トリガーとは、プログラムを開始する「きっかけ」になるものです。
日本語に訳すと、「引き金」
鉄砲は、「引き金」を引くことで、銃弾が放たれますよね。
プログラムも同じように、「トリガー」が入力されることで、動作が順に実行されます。
黄色タブのスタートブロックだけでなく、
カラー&距離センサーが、色を検出したとき
カラー&距離センサーに、物が近づいたとき
マイク(ムーブハブ内蔵)が音を検出したとき
ムーブハブが傾きを検出したとき
といった、「センサーからの入力信号」もトリガーにすることができます。
センサーの使い方は、また、別記事で詳しく説明しますね!
ポイント
プログラムの1番左側には、角が丸い「トリガーブロック」(きっかけ)を配置しましょう!
ムーブハブの2つのモーターで「進む・曲がる・向きを変える」動作を作ろう
次に緑色のタブから
ムーブハブのモーターを動かすブロック
をドラッグ&ドロップしましょう。
緑色のモーターブロックについて。
まずは、最低限の、
・進む
・曲がる
・向きを変える
方法を学びます。
とりあえずはこのブロックだけでOK。
モーターAの速度
モーターBの速度
モーターABの動作時間
を設定するブロックです。
左の矢印は「モーターAの速度」(-100~100)
真ん中の矢印は「モーターBの速度」(-100~100)
右の砂時計は「モーターを回転させる時間」を設定できますよ。
モーター速度をマイナスにすると、逆回転します。
今回作ったロボットだと、右タイヤがモーターA、左タイヤがモーターBですね。
直進してみよう!
タイヤ2つを使ってまっすぐ進むには、
右のタイヤ(モーターA)と、左のタイヤ(モーターB)の絶対値(数字の部分)を同じ大きさにします。
数字の前の符号が
プラスなら前進
マイナスなら後退です。
時間を調整することで、進む距離を決めることができますね。
向きを変える
時計回りに方向転換するには、
右のタイヤ(モーターA)と左のタイヤ(モーターB)の速度の絶対値を同じ大きさにして、
モーターAをマイナス、モーターBをプラスにします。
時間を調整すれば、旋回する角度を決めることができますよ。
反時計回りに旋回するには、
右のタイヤ(モーターA)と左のタイヤ(モーターB)の速度の絶対値を同じ大きさにして、
モーターAをプラス、モーターBをマイナスにします。
カーブ
モーターAとモーターBの速度に差をつけるとカーブできます。
右タイヤ(モーターA)の速度 > 左タイヤ(モーターB)の速度なら、左に曲がり、
右タイヤ(モーターA)の速度 < 左タイヤ(モーターB)の速度なら、右に曲がります。
今回は速度と時間を調整することで、進む・曲がる動作を作りましたが、
モーターの回転角度を指定する方法と
進行方向を指定する方法もあります。
詳細は、以下のリンクから無料のPDF説明書をダウンロードできますよ!
こちらもCHECK
-
【無料説明書】レゴブーストのプログラミングブロックと作り方の説明書【日本語PDF】
続きを見る
外部モーターでペンの「上下動作」を作ろう
このお絵かきロボットは、ペンを上下させることができます。
ペンを上げて移動、ペンを下ろして移動・・・を繰り返すことで、
自由に絵を描くことができますね。
それでは、外部モーターの使い方です。
速度(−100~100)と時間を設定するだけです。
ペンをあげるプログラム
ペンを下げるプログラム
以上です。
タイヤの動かし方をすでに学んでいるので簡単ですね。
このロボットは、ペンが右タイヤと左タイヤのちょうど中心にあり、
旋回をしたときにペンの位置がほとんど変わりません。
(ペンの軸=両タイヤの中点)
なので、思い通りの線を引きやすいです。
シンプルで洗練された良いロボットですね( ´ ▽ ` )
もっと詳しくメカの機構について知りたい方は、「LEGO TECHNIC 虎の巻」もおすすめです。
このカリキュラムで使用する教科書「IDEABOOK」の作者である五十川さんが作成した、レゴテクニックの機構集です。
引用:LEGO Technich 虎の巻
ギアの組み合わせやリンク機構の事例集が写真でわかりやすくまとめられています。
以下のリンクから、PDFファイルをダウンロード可能です。
http://www.isogawastudio.co.jp/legostudio/toranomaki/jp/index.html
3. プログラミングで四角はどうやって描くの?【ど定番】
さあ、四角を描くプログラムを書くぞ・・・
と、いきなりコードを書こうとしても、
何から手をつけて良いかわからず、詰まってしまう可能性があります。
なので、最初に日本語でプログラムの動作を考えて、
その後にプログラミングを行うことをお勧めします。
これは「擬似コード」と呼ばれるテクニックです。
擬似コードを使うことで、「プログラミング的思考」と「プログラミングスキル」を切り分けることができます。
つまり、
プログラミング言語特有の構文(レゴブーストの場合、モーターの動かし方や、ブロックの配置順など)を気にすることなく、
ロボットの動作を考えることに集中ができます。
さらに、
擬似コードでの確認を行えば、子供がどのように考えているかがわかりやすいので、
親もフォローをしやすいのです。
子供に動きの説明をする時にも使えますね。
擬似コードを書いてみよう
白い紙やノートに、下の写真のような線をひいてワークシートを作ってください。
とりあえず手書きでOK!
まずは一番上の枠内にペンで四角を書きましょう。
次に、ロボットにこの四角を描かせるには、
どのような動きが必要か、日本語で書いてみましょう。
このように、擬似コードを書くことで、
要素を細かく「分解」できるので、
要素の「組み合わせ」や「順序」が一目でわかるようになりますよ。
擬似コードをプログラミングブロックに置き換えよう
疑似コードができたら、
①~⑧の動きを、レゴブーストのモーターブロックに置き換えるだけ。
2章の「2つのモーターで「進む・曲がる・旋回」の動作を作ろう」を参考に考えてみましょう。
あなたの考えを「ロボット用コード」の下に日本語で書いてみてください。
*時間を変えて「辺の長さ」と「曲がる角度」を調整してください。
これをレゴブーストアプリに入力したら、プログラム完成です。
プログラムを実行して、四角を自動で描いてみましょう。四角を上手く描けましたか?
上手くいかなかった場合、
なぜ失敗したか?
どこが原因なのか?
を子供と一緒に考えるようにしてくださいね。
ポイント
擬似コードを書いて、要素の「分解」と「組み合わせ」を理解しよう
4. プログラムをまとめよう!【ループ制御】
この章では「ループ制御」(繰り返し制御)について学びます。
ループ制御には、以下のメリットがあります。
ループのメリット
・プログラミングブロックの量を減らせる
・プログラミングミスが少なくなる
・プログラムが見やすくなる
・プログラムを修正しやすくなる
ループブロックは黄色タブの中にあります。
ループブロックは、グレーの中に配置されたブロックを、ふきだしの条件に従って繰り返すコマンドです。以下のブロックの意味を把握しておきましょう。
ふきだしで設定した回数を繰り返す(forループ)
ふきだしの中の条件が真(当てはまる)ならずっと繰り返す(whileループ)
永遠に繰り返す(無限ループ)
ループブロックを使って擬似コードを書いてみよう
ループを使って、コードをわかりやすく修正します。
まずは、3章で作成した、ループを使わずに四角を描く動作の擬似コードを見てみましょう。
「まっすぐ進む→時計回りに90度旋回する」を4回繰り返していることがわかります。
この擬似コードをループを用いて書き直すと、以下のようになります。
このように、ループを使用することで、コードがシンプルになり、修正しやすくなります。
レゴブーストのプログラミングブロックに置き換えると下のようになりました。
コードが簡単になるだけでなく、修正もしやすくなります。
たとえば、辺の長さを変更したい時、
ループを使わない場合だと、4箇所のブロックを修正する必要がありますよね。
そこで、ループを使用すれば、1箇所の修正だけで良くなります。
さらに極端な例ですが、
しかく100個をループなしで描くプログラムを作りたくないですよね・・・・
ループを使えば、100個でも100万個でも、コードの量は変わりません。
どのプログラム言語においても言えることですが、
プログラミングは
・トライアンドエラー
・修正
・流用
・アップデート
がつきもので、一度作ったら終わりではありません。
なので、
誰が見てもわかりやすいコードを書くことは、
自分のためにも、後から修正する誰かのためにも、
とっても重要なことなのです。
5. プログラミングカリキュラムの振り返り
学習後の振り返りって大事ですよね。
このカリキュラムでは、成果物(絵)と過程(擬似コードとプログラム)を確認できます。
親子で一緒に、この2つを見ながら、
どこが難しかったか?
もっと簡単なプログラムはないか?
と振り返りをしましょう。
振り返りでわかったことは、ワークシートに書き残しておき、次回に試してみましょう。
以上、”お絵かきロボットに四角を描かせよう!” でした。
このカリキュラムの後は、自分で好きな絵を描くこともできますし、追加課題に取り組むこともできると思います。
親子で描きたいテーマを決めて、試行錯誤するのも良いでしょう。
冒頭にも述べましたが、子どもが自分で学習するための
「基礎づくり」「きっかけづくり」がこのカリキュラムの目的です。
創造力は、決められた授業では身に付けられるものではなく、
自分で手を動かして、主体的に考え、実行した時に身に付くもの。
論理的な思考力や問題解決力も同じく、
自ら考え、実行し、トライアンドエラーを繰り返す『アウトプット』の場で定着します。
というわけで、
行き詰まったときにはヒントを与えつつ、どんどんチャレンジさせてあげてください。
この記事が、あなたのロボット教育スタートの「きっかけ」になれば嬉しいです。
こちらもCHECK
-
レゴ×スクラッチ!自宅でロボットプログラミング【1.モノレール】
続きを見る
今回使用したレゴブースト教材
ぜひレゴブーストをご家庭で試してみてください!
値段は変動しますが、18000円台ならGOですね。
WEDOにも劣らない、優秀なレゴセットですよ。
こちらもCHECK
-
【実体験レビュー】レゴブーストとWEDO2.0の性能を比較評価
続きを見る
我が家で保有しているレゴブーストの教科書はこの2冊!
今回の記事で紹介した教科書はこちらです。
シンプルで可愛いロボットがたくさん掲載されています。
このカリキュラムは、「The LEGO BOOST Activity Book」の一部参考にしています。
洋書ですが、レゴブーストの説明書のような本です。
一つ一つ動作の背景にある、数学や工学まで取り上げられており、とても有益です。
もっとプログラミングで遊びたいってあなたにはスクラッチもオススメ。
レゴブーストはスクラッチとも簡単に接続できますよ。
こちらもCHECK
-
スクラッチ(scratch3.0)とレゴブーストのBluetooth接続方法
続きを見る